中国映画☆5:『ムーラン』(2009年)
中国映画『ムーラン』の感想。
原題:『花木蘭』
ネタバレあり。
チェン・クン出演作でいちばん好き!
この映画をみてチェン・クンのファンになったの💕
いやもう本当に素敵すぎる。ため息が出る…。
醸し出す雰囲気がなんとも言えない。ホコリまみれでも包帯ぐるぐる巻きで顔が見えなくても、目だけでもかっこいい。かっこいいというか、素敵。
こんな独特な雰囲気がある役者さん他にいる?いやいや絶対いないよ。唯一無二!
映画の内容は、ディズニーでもアニメ化された有名な花木蘭のお話。高齢の父の代わりに、男装して従軍する花木蘭ことムーラン(ヴィッキー・チャオ)。軍隊で知り合った文泰(チェン・クン)と親しくなる。
ある夜、一人でこっそり温泉に入ってたら、文泰と鉢合わせしてしまう。なんとか顔を隠して逃げ出すが、その後兵舎で盗難騒ぎが起こる。身体検査で、全員裸になるよう命じられ、女であることを隠すために、自分が犯人だと名乗り出るムーラン。このとき、文泰は温泉であった女はムーランだと気づく。(見るからに女の子だけどね。っていうか、「木蘭」って花の名前よね?名前からバレそう。男の子にもつけるのかな?)
で、明日には処刑されるという夜に、ムーランが監禁されている小屋に文泰が訪れる。毛布と暖かいスープを持って…(T_T)
女だとばれないように、自分の遺体を焼いてくれ、父には戦場で戦って死んだとつたえてくれと涙ながらに頼むムーラン。優しく頷く文泰…。
このときのチェン・クンの顔がたまらない…。
すごくいい映画だと思う。合戦シーンは迫力あるし、ヴィッキー・チャオの演じる、強いけどやっぱり女の子で脆い心をもったムーランが、悩み挫折しながら進んでいくのがすごくいい。ストーリーも飽きさせない。あっという間の2時間だった。
ジャッキー・チェンの息子さんも出てて、お調子者のいい弟分を演じてた。
あと、適国の野心的な王子のフー・ジュンもぴったり。フー・ジュンは結構お気に入りの役者さん。『天龍八部』も素敵だったな〜。
最後もよかった。安易なハッピーエンドじゃなくて、幸せが眼の前にあるのに、祖国のために愛する人との別れを選ぶ。ムーランの信念、自立した強さがみれた。
ムーランと文泰は、現実主義で強い女と浪漫主義で弱い男をしっかり体現してる。
もちろん文泰は責任感もあり意思も強い男だった。ムーランに出会わなければ、おそらく自分の身分を隠したまま、絶望的な戦いのなかでも、最後まで仲間達と共に戦い死ぬことを選んだはず。だけど、ムーランに出会ってしまい、彼女の危機を救うために、自分の正体を明かし敵に捕らわれてしまう。人質になって、父皇に迷惑をかけるなんてことは、絶対にしたくなかったはず。でも結局最後の最後にムーランのために敵に投降してしまう。
そして、ラストでは自分の皇子としての責任を投げ出して、一緒に行こうとムーランを迎えに来るのがロマンチックなのよね。チェン・クンに『愛した女の為に全てを捨てる男』を演じさせたら最高だね❤そんな文泰に対して、現実主義で信念をもつムーラン。「平和の為なら何でもするとあなたは言った。」の一言で文泰を黙らせる。ラストシーンの少ないセリフに12年間の思いが込められていて、切なくて涙があふれてしまう。無駄にキスシーンとか入れずに、万感の思いがつまった抱擁ってのがほんとうによかったよ(T_T)
あえて注文をつけるなら、ヴィッキー・チャオの笑顔をもっとみたかったな。ずっと悲しそうな顔をしてたから。ムーランはつらい人生なんだけど、前半は若く元気な女の子でいてほしかった。10年も戦場にいて、仲間も文泰も失って、どんどん悲しい顔になっていく過程とかみたかった。ヴィッキー・チャオならうまく表現できると思う。かのじよが演じる「小燕子」や「剣萍」が大好きだった私としては、ずっと静かで愁いを帯びたムーランはもったいない。まあ、そこまで描くとなると、映画では時間がたりないのかな。
とにかく!この映画は、これまで見た映画のトップ3にはいる♪
映画館で大迫力で見てみたいな〜。